【導入文】

外国人を雇用する企業には、労働基準法や入管法など、複数の法律に基づく義務があります。これらを正しく理解していないと、企業側が法的責任を問われたり、外国人本人の在留資格にも悪影響が出ることがあります。本記事では、外国人雇用で企業が必ず守るべき義務と、コンプライアンス上の注意点をわかりやすく解説します。


1. 外国人雇用における企業の基本義務

外国人を採用する企業には、以下のような義務があります。

(1)在留資格・在留期間の確認義務

採用時には、在留カードを確認し、

  • 在留資格
  • 在留期間
  • 就労制限の有無

を確認する必要があります。

違法就労者を雇用すると、企業側が「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。

(2)外国人雇用状況の届出(ハローワーク)

外国人を雇用する際や離職した際には、ハローワークへの届出が義務付けられています。

届出を怠ると、企業側に行政指導が入ることがあります。

(3)労働法の遵守

外国人も日本人と同じ労働基準法が適用されます。
労働時間、残業代、休憩、最低賃金など、適正な労働条件を提供する必要があります。


2. よくある違反例とそのリスク

外国人雇用で特に多い違反を紹介します。

(1)在留資格と仕事内容のミスマッチ

例:技人国ビザの外国人に単純作業をさせる
→「資格外活動」に該当し、不法就労となる可能性。

(2)週28時間を超える留学生の勤務

留学生は週28時間以内の勤務が原則。
複数店舗で働いている場合も合算されるため注意が必要です。

(3)契約内容と実際の労働条件が違う

求人票の内容と実際の給与が違う、残業代を払っていないなども大きな問題になります。


3. 外国人雇用で守るべきコンプライアンス

外国人雇用では、次の点を意識することが非常に重要です。

(1)適正な労働条件の提示

日本人と同等の待遇でなければ、在留資格の更新にも影響します。

(2)徹底した在留カードの管理

期限管理が甘いと更新忘れが起き、企業も法的責任を負うリスクがあります。

(3)雇用書類の整備

  • 雇用契約書
  • 勤怠記録
  • 給与台帳
  • 在留資格に適合した業務内容の説明資料

これらを普段から整理しておく必要があります。


4. コンプライアンス違反が企業に与える影響

違反が発覚した場合、企業には以下のような深刻な影響があります。

(1)罰則・刑事責任

不法就労助長罪は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金 など重い罰則が規定されています。

(2)事業停止や行政指導

重大な違反があると行政指導が入り、最悪の場合は事業の信用が失われます。

(3)外国人本人の在留資格の取消し

企業の管理不足が原因で外国人の在留資格が取り消されるケースもあります。


5. 安心して外国人雇用を行うために

コンプライアンスを守りながら外国人を雇用するには、以下の取り組みが効果的です。

  • 在留資格・在留期限の管理システムをつくる
  • 業務内容の説明資料を整備する
  • 日々の勤怠・給与記録を明確に残す
  • 在留カード確認を定期的に行う
  • 外国人社員向けの労働条件説明会を実施する

また、初めて外国人を雇用する企業は、行政書士へ事前相談することでリスクを大幅に減らせます。


まとめ

外国人雇用には、在留資格の確認や労働条件の整備など、企業側が負うべき重要な義務があります。これらを怠ると、企業にも外国人本人にも大きな不利益が生じます。

適切な管理とコンプライアンスの徹底により、外国人も企業も安心して働ける環境を整えることができます。外国人雇用に不安がある場合は、行政書士に早めに相談することをおすすめします。