【導入文】

外国人の方が転職する場合、最も注意すべきなのが「在留資格との関係」です。転職先の仕事内容が現在の在留資格と合っていないと、更新が不許可になったり、最悪の場合は在留資格の取消しにつながることもあります。本記事では、転職時に必ず確認すべきポイントと、企業側が気を付けるべき点を行政書士の視点からわかりやすく解説します。


1. 転職しても在留資格は自動で変わらない

転職したからといって、在留資格が自動的に新しい職務に合うよう変更されるわけではありません。
重要なのは、

「新しい仕事が、今の在留資格の活動内容に合っているか?」

という点です。

例えば、

  • 「技術・人文知識・国際業務」ビザの場合 → オフィスワーク中心の専門的業務であること
  • 単純労働が含まれる職種 → 原則NG

この適合性がないと、更新や変更の際に問題になります。


2. 転職時に確認すべきポイント

転職を検討する際は、以下の点を必ず確認しましょう。

(1)仕事内容が在留資格と一致しているか

最も重要な審査ポイントです。
「専門性のある業務かどうか」「学歴や経験との関連性はあるか」を確認します。

(2)給与水準が適切か

極端に低い給与は「生活の安定性」が疑われ、不許可の理由になります。

(3)会社の事業実態が明確か

HP・会社案内・オフィス写真など、事業内容を説明できる資料が求められる場合があります。

(4)前職の退職時に問題がなかったか

無断退職やトラブルがあると、更新時に影響することがあります。


3. 転職後に必ず行うべき手続き

転職が決まったら、以下の手続きは必須です。

(1)「契約機関に関する届出」

転職した場合、14日以内に入管へ「契約機関に関する届出」(旧・所属機関変更届け)を提出する必要があります。

提出しないと、更新時に不利になることがあります。

(2)新しい会社での書類整備

  • 雇用契約書
  • 勤務内容の説明資料
  • 経営状況の分かる資料

などを整理しておくと、更新や変更がスムーズに進みます。


4. 不許可になりやすい転職パターン

以下に当てはまる場合は注意が必要です。

(1)業務内容が専門性に欠けている

例:SE → 倉庫作業
例:マーケター → 工場ライン作業
→ 「技人国」と活動内容が一致しないため不許可の可能性大。

(2)給与が現職より大幅に下がる

生活安定性が疑われ、審査に影響。

(3)会社の事業実態を説明できない

新設会社や小規模事業では資料が不足し、不許可理由になりやすいです。

(4)転職回数が多い

短期間で複数回転職していると、「安定性に欠ける」と判断されることがあります。


5. 企業側が採用時に注意すべき点

企業にも義務があります。以下は必ず確認しましょう。

  • 在留カードの確認
  • 在留資格と仕事内容の適合性
  • 適正な給与水準か
  • 勤務時間・労働内容が法律に適合しているか

とくに「資格外活動になる業務」を与えると、企業側も処罰されるリスクがあります。


まとめ

外国人の転職は、在留資格との関係をしっかり理解して進める必要があります。
特に「仕事内容の専門性」「給与水準」「会社の事業実態」が審査で重視されるため、転職前に確認することが大切です。

不安がある場合は、転職前の段階で行政書士に相談することで、リスクを最小限に抑え、安心してキャリアを進めることができます。