【導入文】
示談書は、トラブルや紛争を当事者同士で解決するために作成される重要な文書です。しかし、必要な条項が不足していたり、内容が不十分なまま作成してしまうと、後から再びトラブルが発生する可能性があります。本記事では、示談書に必ず入れておくべき重要な条項と、作成時の注意点を行政書士の視点からわかりやすく解説します。
1. 示談書とは?
示談書とは、トラブルに関する当事者間の合意内容を文書化し、最終的な解決内容を明確にするための書面です。
(1)示談書が使われる場面
- 交通事故
- 債権トラブル
- 物損・損害賠償
- 近隣トラブル
示談内容を明確にし、同じ問題が再発しないようにする役割があります。
2. 示談書に必ず入れるべき重要な条項
示談書を作成する際には、最低限次の内容は必ず入れておく必要があります。
3. 条項1:事実関係の確認
まず、今回のトラブルがどのような事実に基づくものかを記載します。
(1)記載例
- 〇年〇月〇日に相手方の車両と接触した事故が発生した
- 支払い遅延が発生した原因について双方が確認した
事実を明記することで、合意内容の前提が明確になります。
4. 条項2:支払い内容・金額・期限
最も重要な条項の一つです。
(1)記載するべき内容
- 支払い金額
- 支払い期限
- 支払い方法(現金・振込など)
- 分割の場合の条件
これが曖昧だと、後の紛争の原因になります。
5. 条項3:再発防止策・今後の対応
再び同じトラブルが起きないように、行動義務を明確にします。
(1)例:交通事故の場合
- 今後、安全運転に努める
- 任意保険を継続する
(2)例:業務トラブルの場合
- 契約内容を遵守する
- 報告体制を改善する
6. 条項4:清算条項(これが最重要)
清算条項とは、「示談書に定めた内容以外は、お互いに請求しません」という最終合意を意味します。
(1)清算条項の例文
「当事者双方は、本件に関し、本示談書に定めるものを除き、今後何らの請求を行わないことを確認する。」
(2)清算条項の重要性
これがないと、
- 追加の請求
- 新たな訴え
- 請求内容の蒸し返し
が起きるリスクがあります。
示談書では必ず入れるべき条項です。
7. 条項5:守秘義務
トラブル内容を第三者に漏らさないための約束です。
(1)記載例
「本示談内容を第三者に開示しない。」
SNSなどでのトラブル拡散を防ぐ効果があります。
8. 条項6:違約金条項(必要に応じて)
支払いが遅れた場合のペナルティを記載すると、示談の実効性が高まります。
(1)例
「支払いが期日までに行われない場合、年◯%の遅延損害金を支払う。」
9. 条項7:署名・押印
示談書は「誰が」「どの内容に」合意したのかを明確にするため、署名押印は必須です。
個人の場合
→ 氏名・住所・押印
法人の場合
→ 代表者名・会社印
まとめ
示談書はトラブル解決のための重要な文書であり、記載内容が不十分だと再度の紛争を招く可能性があります。特に、支払い条件、清算条項、再発防止策などは必ず明確に記載する必要があります。
確実な示談を成立させるためには、専門家による文案チェックも有効です。状況に応じた示談書を作成し、安心してトラブルを終結させましょう。