【導入文】
建設業許可を取得するための重要な要件の一つが「専任技術者」です。専任技術者は、工事の品質と安全性を確保するために欠かせない存在であり、資格や経験について厳格な基準が設けられています。本記事では、専任技術者とはどんな役割なのか、そして必要となる資格・経験について分かりやすく説明します。
1. 専任技術者とは?
専任技術者とは、建設業許可業者がその事業所に常勤で配置しなければならない「工事の専門知識を持つ責任者」のことです。
(1)専任であることの意味
専任技術者は、次の条件を満たす必要があります。
- 常勤であること(他社との兼務は不可)
- 事業所ごとに1名配置すること
- 実際に工事内容を理解し説明できる能力があること
2. 必要となる資格(国家資格)
専任技術者として認められるためには、建設工事に関連する国家資格を持っていることが一般的です。代表的な資格は以下のとおりです。
(1)施工管理技士
- 1級施工管理技士(建築・土木・電気・管など)
- 2級施工管理技士(建築・土木・電気・管など)
施工管理技士は最もポピュラーで、専任技術者として幅広く認められます。
(2)建築士
- 一級建築士
- 二級建築士
- 木造建築士
設計系の資格ですが、建築一式工事などで有効です。
3. 資格がない場合の実務経験による要件
資格がなくても、実務経験で専任技術者として認められる場合があります。
(1)10年以上の実務経験
ほとんどの業種で 10年以上の実務経験 が求められます。
例:
- 電気工事で10年以上実務に従事
- とび・土工工事で10年以上の経験
(2)建築一式工事は特に厳格
建築一式工事では、
- 実務経験10年以上
- もしくは施工管理技士等の資格
が必要となり、書類での証明も厳しくチェックされます。
4. 専任技術者に求められる役割
専任技術者は、単に資格を持っているだけではなく、現場管理や技術指導など重要な役割を担います。
(1)工事内容の説明責任
入札や施工計画の作成時に、工事内容を的確に説明する能力が求められます。
(2)品質確保と安全管理
適切な施工方法の選定、安全基準の遵守など、技術的な判断を行います。
(3)許可更新時の重要資料
専任技術者の有無は許可更新の審査項目でもあるため、変更があった場合は速やかな届出が必要です。
5. 専任技術者が不在になるとどうなる?
専任技術者が退職した場合や条件を満たさなくなった場合、以下の問題が生じます。
(1)許可要件を満たさなくなる
専任技術者不在のままでは、建設業許可の継続が困難になります。
(2)早急な後任配置が必要
速やかに新しい専任技術者を配置し、変更届を提出する必要があります。
(3)放置すると許可取消しのリスク
長期間専任技術者が不在のまま運営すると、許可取消しに至るケースもあります。
まとめ
専任技術者は、建設業許可において最も重要な役割を担う存在です。資格を持っていることはもちろん、実務経験や技術的判断力も求められます。専任技術者の配置状況は許可の維持に直結するため、事業者は常に適切な人材を配置しておくことが大切です。
資格がない場合でも、実務経験によって認められるケースは多いため、状況を整理し、必要であれば行政書士に相談することでスムーズに許可取得を進めることができます。