【導入文】
「口約束でも契約は成立しますか?」という相談は非常に多く寄せられます。結論として、口約束でも法的には契約が成立するケースは多いものの、証拠が残らないためトラブルになりやすい点が問題です。本記事では、口約束がどこまで有効なのか、契約成立の仕組み、さらにトラブルを防ぐための“証拠の残し方”をわかりやすく解説します。
1. 口約束でも契約は成立する?
結論:口約束だけでも契約は成立します。
契約は「申込み」と「承諾」があれば成立するため、書面がなくても法律上は契約として扱われます。
(1)日常でよくある口約束の例
- 「この作業を3万円でお願いね」
- 「来週までに納品します」
- 「この車を50万円で買います」
これらは成立要件を満たしていれば、すべて契約です。
(2)書面が必要な特別な契約もある
一部、書面が必須の契約もあります。
- 不動産の賃貸借(契約書推奨だが口頭でも有効)
- 不動産売買 → 必ず書面が必要
- 訪問販売 → クーリングオフ制度適用
内容によっては書面が求められるため注意が必要です。
2. 口約束がトラブルになりやすい理由
口約束が危険なのは、“証拠が残らない” という点にあります。
(1)契約内容の認識にズレが生じやすい
- 金額
- 納期
- 作業範囲
- 支払い条件
これらを双方が違うように理解していると、紛争の原因になります。
(2)証拠がなく裁判になった場合に不利
裁判では「言った・言わない」の争いになり、証拠がなければ非常に不利になります。
3. 口約束でも“証拠を残す”ことで契約を守れる
口約束しかしていない場合でも、次の方法で証拠を補強できます。
(1)メールやLINEで内容を確認する
「本日の打合せ内容ですが、○○円で△△を行うということで間違いありませんね?」
と送るだけで証拠になります。
(2)メモ書き・写真でも有効
手書きメモやホワイトボードの写真も“補助証拠”として有効です。
(3)音声録音も証拠として認められる
会話の録音は民事裁判で証拠として採用されることがあります。
4. 口約束が特に危険な場面
次のような取引は口約束のみだと非常に危険です。
(1)高額な取引
車・建物・機械などは必ず書面にするべきです。
(2)事業上の取引
仕事の範囲・責任・支払い条件のズレで揉めやすい分野です。
(3)個人間の貸し借り
金銭トラブルでは「借りていない」と言われてしまうケースが頻発します。
5. トラブルを防ぐためのベストな方法
(1)簡単でもいいので書面を作る
「覚書」「合意書」「契約書」など、シンプルな形式でも記録として残ります。
(2)最低限、メールで確認する習慣をつける
メールのやり取りだけでトラブルの8割は防げます。
(3)専門家に契約書を確認してもらう
特に長期契約・高額契約では行政書士のチェックが有効です。
まとめ
口約束でも契約は成立しますが、証拠が残らないため非常にトラブルが起きやすいのが実情です。取引内容の確認、メール記録、簡易な書面の作成などの工夫でリスクを大きく減らすことができます。安全に取引を進めるためにも、重要な契約は書面化し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。