【導入文】
外国人の採用で最も多い在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。しかし、この資格で働ける職種や、求められる専門性、企業が採用時に注意すべきポイントを理解していないケースが少なくありません。本記事では、この在留資格の特徴と実務で特に注意する点を分かりやすく紹介します。
1. 「技術・人文知識・国際業務」とはどんな在留資格か
「技術・人文知識・国際業務」(通称「技・人・国」)は、日本でホワイトカラー業務に従事する外国人向けの主要な在留資格です。理系の専門職、人文系の企画業務、語学スキルを活かした国際業務などが該当します。
この在留資格のポイントは “専門性がある業務かどうか” です。単純労働は認められておらず、大学・専門学校などで学んだ内容と、従事する職務内容が関連している必要があります。
2. 対象となる具体的な仕事内容
この在留資格で認められる仕事内容の例は以下のとおりです。
(1)技術(エンジニア系)
- システムエンジニア
- プログラマー
- 機械設計
- ネットワークエンジニア
理系専門知識を活かして業務に従事する場合が該当します。
(2)人文知識(企画・事務系)
- 経理・総務・人事
- 営業・マーケティング
- 企画・事務職
文系の高度な知識を活かしたオフィスワークが中心です。
(3)国際業務(語学系)
- 翻訳・通訳
- 海外取引のサポート
- 外国人向けマーケティング業務
語学力や異文化理解を生かす業務が該当します。
3. 学歴または実務経験の要件
この在留資格を取得・更新するためには、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 大学または専門学校で「職務内容に関連する専攻」を修了している
- 10年以上の実務経験(国際業務は3年以上でも可)がある
つまり、学んだ内容と実際に従事する業務が一致しているかどうか が最重要ポイントです。
例えば、大学で機械工学を学んだ方が「英語講師」として働くことは専門性の一致がないため、許可されません。
4. 企業が採用時に注意すべきポイント
在留資格の申請や更新で重要な審査項目は以下のとおりです。
(1)業務内容の具体性
仕事内容が曖昧だと、専門性の一致が確認できないため不許可になりやすくなります。
(2)給与が日本人と同等か
不当に低い給与は“雇用の安定性”に問題があると判断されます。
(3)会社の事業実態が明確か
決算書、会社概要、写真、HPなどの資料が必要になることがあります。
(4)在留カード・契約書などの適切な管理
雇用管理が十分でない企業は、更新で不利になることがあります。
5. 「技・人・国」で不許可になりやすいパターン
特に次のようなケースは注意が必要です。
- 専門性のない単純労働が業務内容に含まれている
- 学歴と業務内容の関連が弱い
- 給与が極端に低い
- 会社の事業実態を説明できる資料が乏しい
不許可理由の多くは「仕事内容の専門性不足」です。
事前に行政書士へ相談しておくことで、不備を避けることができます。
まとめ
「技術・人文知識・国際業務」ビザは、日本で外国人を専門業務に従事させる際に最も利用される在留資格です。しかし、学歴・実務経験との関連性や業務内容の専門性が厳しく審査されるため、採用・更新ともに慎重な準備が必要です。
業務内容の整理、必要書類の準備、企業側の管理体制の確認などをしっかり行うことで、スムーズに許可を得ることができます。不安がある場合は、行政書士に早めに相談することでリスクを最小限に抑えられます。